コラム 中古住宅を買う前に見るべきポイントは?空き家データと施工事例から紐解く「失敗しない家選び」
2026年10月20日更新

中古住宅や空き家をリノベする際の注意点
ここ数年で、建築資材や職人さんの人件費
土地の価格が上がり、住宅ローンの金利も
少しずつ上がり始めました。
住まいを取り巻く環境は
以前とはずいぶん変わってきています。
以前のブログでは、そうした変化を背景に
「今ある家を活かす」という
住まい選びが増えているお話をしました。
もし、理想の物件に出会ったら。
「ずっと探していた小学校区にある」
「価格も自分たちの予算に収まりそう」
「写真や内覧で見た感じ、室内も思ったよりきれい」
不動産は一点もので、後悔をしたくない心理から
皆さんそう気持ちが逸り始めます。
でも、中古住宅や空き家には、表面のきれいさや築年数
販売価格だけでは見えてこない部分があります。
今回は、国土交通省の調査データや自治体の動き
そして私たち星のリノベーションが実際に手がけた
施工事例をもとに、中古住宅や空き家を買う前に
知っておきたい「家の見方」についてお話しします。
国の調査で見えてきた、空き家の状態は「一軒ずつ違う」という事実
中古住宅や空き家と聞くと
「古いから、あちこち傷んでいて大変なのでは…」
と身構えてしまう方も少なくありません。
「古い=ボロボロ」とは限らない。鍵を握るのはこれまでの“管理”
国土交通省が公表した「令和6年空き家所有者実態調査」に
興味深いデータがあります。
全国の空き家のうち
外壁や室内に部分的な腐朽・破損がある家は「約43%」
柱や基礎など構造上の不具合がある家は「約20%」でした。
ただ、その一方で「構造上の不具合も、腐朽や破損もない」
という空き家も約34%あるのです。
つまり、「空き家だから危ない」「古いからもう使えない」と
ひと括りにはできない、ということです。
さらに注目したいのが
「その家がこれまでどのくらい手入れされていたか」
という点です。
定期的に掃除などの管理されていた空き家では
構造上の不具合が見つかった割合は15〜18%ほどでした。
ところが、管理が数年に1回程度だった家では
不具合の割合が「約33%」と倍近くに跳ね上がります。
もうひとつ、参考になる自治体のデータがあります。
愛知県東浦町が行った空き家所有者へのアンケート調査では
建物の状態について約49%が「そのまま住める状態」
と答えています。
「少し手を加えれば住める」
「かなり費用をかけて改修する必要がある」
を合わせると約46%でした。
「築40年だからやめておこう」
「安いからとりあえず買おう」と
先入観で決めてしまうのではなく
まずはその家の“今の状態”を把握してから判断しましょう。
では、具体的にどんなところを調べればいいのか解説します。
内覧のとき、どこを見る?購入前に知っておきたい3つの視点
中古住宅の内覧に行くと、どうしてもシステムキッチンや
ユニットバス、フローリングの傷、壁紙の汚れなど
目につきやすい場所に意識が向きます。
もちろん、毎日使う場所ですからそこも大事です。
ただ、購入後にリノベーションをして
快適に暮らすことを考えるなら
押さえておきたいポイントが3つあります。
見えている場所と、隠れている場所(床下・構造・断熱)の今の状態
外壁のひび割れや屋根の色あせ、窓のサッシや
水まわりの設備などは、内覧のときにも
比較的チェックしやすい部分です。
一方で、普段の暮らしの快適さや家の寿命を左右するのは
実は「隠れている場所」だったりします。
床下や基礎
(湿気がこもっていないか、ひび割れやシロアリの跡はないか)
土台や柱・梁
(建物を支える骨組みが傷んでいないか)
小屋裏・天井裏
(過去の雨漏りのシミや、木材の腐りはないか)
断熱材と窓
(壁や天井に断熱材が入っているか、結露や暑さの原因)
給排水管
(床下の古い配管がサビたり詰まったりしていないか)
どれだけ日当たりのいいきれいなリビングでも
床板の下まできれいな状態だとは限りません。
見えている表面のきれいさと、隠れている建物の健康状態。
この両方を確認することが、失敗しないポイントです。
築年数だけでは分からない「その家の履歴書」
先ほどの国の調査でも触れた通り
家には一軒ずつの「履歴書」のようなものがあります。
◆いつまで人が住んでいたのか(空き家になって何年経つか)
◆定期的に窓を開けて換気や通水がされていたか
◆修繕歴・シロアリ防除の記録はあるか
たとえば、同じ「築35年」の家でも
半年前までご家族が大切に住んでいた家と
10年間雨戸を閉め切ったままだった家とでは
室内の湿気や木部の状態がまったく違います。
「良い物件か」以上に大切な「自分たちらしく暮らせる家に変えられるか」
そして、私たち星のリノベーションが
一番大切にしているのがこの視点です。
それは、「建物が傷んでいるかどうか」だけでなく
「これから自分たちがしたい暮らしに、この家を変えられるか」
ということです。
◆壁を抜いて、家族が集まる広いLDKに間取り変更できる構造か
◆今の基準に合わせて、しっかり耐震補強ができるか
◆冬の底冷えや、夏の日差しに負けない断熱性能に高められるか
◆家事動線のいい水まわりが計画できるか
「建物として悪くない中古住宅か?」という視点に
「自分たちが心地よく暮らせる家に育てられるか?」
という視点を掛け合わせることが重要です。
「安く買えた」が「思ったより高くついた」にならないための資金計画
中古住宅を探していると、最初に目に入るのはやっぱり
「物件価格」です。
たとえば、同じエリアに「1,500万円の中古住宅」と
「1,900万円の中古住宅」があったとします。
見た目の価格だけを見れば、400万円安い1,500万円の家の方が
お得なので魅力的に映りますよね。
でも、もし1,500万円の家に
購入後すぐシロアリの駆除・補修や
大がかりな耐震補強、屋根の葺き替え
古い給排水管の総入れ替えが必要になったらどうでしょうか。
本来やりたかった希望を削ることになりかねません。
反対に、1,900万円の家でも、前の持ち主さんが
定期的にメンテナンスをしていて
骨組みや屋根の状態が良ければ
自分たちが希望する間取り変更や水まわりの一新
窓の断熱改修などにしっかり予算を回せることもあります。
結果として、住み始めてからの満足度も高く
出費も納得しやすいものになるケースは珍しくありません。
だからこそ、中古住宅の予算は
「物件価格」
「建物を守るために必要な補修費」
「理想の暮らしをつくるリノベーション費」
この3つを合わせた総額で考えることが欠かせません。

【施工事例】開けてみて分かった傷みも、分かれば「直せる」
諫早市、築35年の戸建てリノベーションの事例をご紹介します。
このお住まいも、最初からすべての状態が
分かっていたわけではありませんでした。
工事が始まり、壁や床を解体して
建物の骨組みを確かめていく中で
柱や梁の一部にシロアリによる被害が見つかったのです。
そこで、傷んでいた木材をしっかりと補修したうえで
「添え梁(そえばり)」などの工法を使って
構造そのものを強くし、耐震補強を行いました。
さらに、これから何十年も快適に暮らせるよう
壁や床の断熱材を入れ直し、窓まわりや水まわり
家事動線まで現代の暮らしに合わせて丸ごと整えていきました。

諫早・大村でも広がる、空き家を“これからの住まい”に活かす動き
今、中古住宅や空き家を「地域の大切な住まい」として
活かそうという動きは、どんどん広がっています。
たとえば諫早市では、市の「空き家バンク」に
登録された物件を購入してリフォームする場合
一定の条件を満たせば改修費用の一部を
補助してもらえる制度があります。
また、大村市でも2026年1月から
「大村市空き家マッチングサービス」がスタートしました。
さらに、国が行っている窓や断熱改修への補助金制度なども
活用できるケースがあります。
こうした制度を上手に使うためにも
「物件を買ってからリノベーション会社を探す」
のではなく
「物件を検討する段階で、工事の内容や使える補助金を考える」
ことが、結果的に時間も費用も無駄にしないコツになります。
「築年数が古いからダメだろう」と諦めるのでも
「価格が安いから早く押さえよう」と飛びつくのでもなく
今、建物の見える場所・見えない場所はどんな状態なのか
これまで、どんなふうに管理されてきた家なのか
自分たちが思い描く、暖かくて使いやすい家に変えられるか
物件価格と工事費を合わせて、無理のない総額に収まるか
この4つを一つずつ確かめていくことが
後悔しない住まい選びにつながります。
気になる物件が見つかった状態でも
お気軽にご相談ください。
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【ショールーム】
長崎県諫早市幸町49-46
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