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コラム 地震にも、災害級の暑さにも。諫早の築35年住宅で実践した耐震・断熱リノベーション

2026年08月17日更新

諫早の築35年住宅で行った耐震・断熱リノベーション。耐震補強工事、完成後のLDK、内窓設置前後の温度比較

7月28日午後4時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする
地震が発生し、宇城市・氷川町では最大震度7を観測しました。
長崎県内でも南島原市で震度5強
諫早市と雲仙市で震度5弱を記録しています。
まず、このたびの地震で被害に遭われた皆さまに
心よりお見舞い申し上げます。

震源地周辺では住宅の倒壊をはじめ
断水や停電など。大きな被害が発生しています。
私たちが暮らす長崎も、大きく揺れました。
諫早市多良見町の多良見体育センターでは
天井板が約25メートルにわたって落下しました。
当時利用していた6名にけがはありませんでしたが
南島原市では住宅の屋根や石垣、水道管にも被害が出ました。

身近で大きな地震のニュースを見るたびに
「我が家は大丈夫だろうか」
「家具は倒れてこないかな」
そう感じた方も少なくないはずです。
家具の転倒防止や非常食の備えはもちろん大切ですが
住宅会社として今回の地震で改めて気になるのは
家の内部の状態でした。
普段は意識することのない柱や梁、床下が
実際にどれだけの揺れに耐えられる状態なのか。
そこまで考えて備えられて初めて、防災と減災が成立します。

築年数だけでは判断できない「家の中身」

地震が起こっても外から見た家は、いつもと変わらない。
雨漏りもなく、ドアも問題なく開き日々の暮らしに支障はない。
それでも壁や床の中では、柱や梁の接合部、筋交いや
床下の木材が湿気やシロアリで傷んでいることがあります。
普段の生活で目にすることのない部分です。

「築30年を超えているから危ない」
築年数だけで判断することはできませんし
逆に「新耐震基準の家だから安心」とも言い切れません。
2016年の熊本地震後に国土交通省などが行った
建築物被害調査では、旧耐震基準の木造住宅で
被害率が明らかに高かった一方
新耐震基準の住宅の中でも差が見られました。
特に2000年に接合部などの基準が明確化されて以降の住宅は
それ以前の新耐震基準の住宅より
被害率が低いという結果が出ています。

さらに、1981年以降の新耐震基準で建てられた住宅であっても
接合部の仕様だけでなく、地盤の変状や隣接建物との衝突
そして蟻害が被害を大きくした要因として確認されました。
建築年だけでなく「今その家がどんな状態にあるか」を
見る視点が欠かせないということです。

こうした話を今回ご紹介したいと思ったのは
少し前に「星のリノベーション」で完成した
築35年住宅のリノベーションがきっかけです。
内装を解体して初めて見えてきたのは
構造部分にまで及ぶシロアリの被害でした。

築35年の実家。解体して分かったシロアリ被害

今回ご紹介するのは、諫早市にある築35年の住まいです。
お母様から譲り受け、その後約25年にわたって
ご家族で暮らしてこられました。
キッチンが手狭になり、収納も足りない。
大きなメンテナンスをしないまま年月が経ち
建物の傷みも気になっていた。
建替えも検討されましたが、最終的に選ばれたのは
今の家を活かすフルリノベーションでした。

間取りを見直し、収納を増やし、洗面室と脱衣室を分ける。
そうした暮らしやすさの改善に加えて
今回の工事ではもう一つ大切にしたことがあります。
完成すれば見えなくなる、家の中身を確認することです。

工事前の調査でもシロアリ被害の可能性は想定していましたが
実際に床や壁を解体すると、床下だけでなく
梁などの構造部分にも被害が広がっており
活動中のシロアリも見つかりました。
畳や柱の表面に見えていた傷みは
建物の中で起きていたことのごく一部だったのです。

築35年住宅のリノベーション工事中。解体後に確認されたシロアリ被害のある構造部分

シロアリや湿気による木材の傷みは壁紙や
フローリングの上からは分かりにくく
「今のところ普通に住めているから大丈夫」だけでは
判断が難しい部分があります。
築年数を重ねた住宅であればあるほど
見えない部分に何が起きているかを
一度確認しておく必要性が高まります。
今回は被害の範囲を確認しながら
傷んだ床下の下地や構造材を交換・補強し
シロアリの駆除と防蟻処理を行いました。

築35年住宅のリノベーション工事中。シロアリ被害箇所に駆除・防蟻処理を行う様子

あわせて耐震補強も実施しています。
既存の梁に新しい梁を添えて補強し
壁の中には筋交いと補強金物を追加しました。
完成したLDKでは明るい対面キッチンや
広くなったリビングに目が行きますが
その壁の中には筋交いが、天井の上には補強した梁があります。
リノベーションは見た目を新しくするだけの工事ではなく
今ある家の状態を確認し、残せるものは残し
直すべきところは直す。
そこまで含めて考えることが
築年数の経った家を長く使っていくうえで
大切だと考えています。

築35年住宅のリノベーション工事中。筋交いと金物を追加した耐震補強の様子

「耐震リフォームをすべきか」
「築35年だから危ないのか」と
柱や梁、床下の状態、シロアリや劣化の有無。
まずは今の住まいがどんな状態かを知ることが
その家に合ったリノベーションにつながります。

地震だけではない、今年の「暑さ」という備え

今年はもう一つ、危惧していることがあります。
暑さです。
気象庁によると、2026年7月中旬から下旬にかけての
西日本の平均気温は、統計を開始した1946年以降で
最も高くなりました。
九州でも観測史上初めて
40℃以上の酷暑日が記録されています。
先日、島原市では39.9℃を記録し過去の県内最高気温を更新。

エアコンをつけても2階がなかなか涼しくならない
西日の入る部屋だけ暑い、窓の近くに熱を感じる。
そんな経験のある方は、エアコンの性能だけでなく
家そのものにどれだけ熱が入りやすいかという
視点も必要かもしれません。

今回の築35年の住宅では、耐震補強とあわせて
断熱材と窓の見直しも行いました。
壁や床を開けるフルリノベーションだからこそできる
もう一つの性能改善です。
内窓については、施工前後の違いを確認するため
6月にエアコンを使用しない条件で
サーモカメラによる測定を実施しました。
結果は、内窓がある状態で26.5℃、内窓がない状態で28.3℃。

内窓設置前後をサーモカメラで比較した画像。内窓あり26.5度、内窓なし28.3度

エアコンを使わない条件下でも
窓まわりで明確な温度差を確認できました。
この結果はあくまで「この住宅」で「この日の測定条件」
によるものですが断熱材や普段何気なく目にしている窓が
住まいの暑さを左右することが分かります。
地震への備えと同じように、暑さへの備えも
壁面内部や天井内の断熱材や窓の性能を
どう底上げするかという話に行き着きます。

きれいにするだけでなく、これからも暮らせる家へ

今回のリノベーションでは、間取りや収納
水まわりの使いやすさを改善するだけでなく
シロアリ被害の補修、梁や壁の補強、耐震性の見直し
断熱材と窓の見直しまで、暮らしと建物と
性能をあわせて考えました。

築35年住宅をリノベーションした玄関ホール。木目の玄関ドアとアーチ型の収納スペース 築35年住宅をリノベーションしたファミリークローゼット。LDK横に可動棚を設けた大容量収納 築35年住宅をリノベーションした和室。LDKとつながる明るくモダンな畳スペース 築35年住宅をリノベーションした洗面室。居室を活用した広い洗面スペースとカウンター

星野建設は地元・島原半島で
雲仙・普賢岳噴火災害からの復興に携わった経験を持ち
その後も東日本大震災、熊本地震、九州の豪雨災害などの
復旧・復興に関わってきました。
災害の現場に関わってきたからこそ
普段の暮らしの中で、いつくるか分からない災害に備え
家を確認しておくことの大切さを感じています。

地震が心配
家の暑さが気になる
実家がこの先も住み続けられるのか分からない。
そんな小さな不安からで構いません。
耐震工事をすると決めていなくても
建替えかリノベーションか決まっていなくても
まずは「今、この家がどんな状態なのか」を
一緒に整理してみませんか?

今回の築35年住宅の詳しいBefore・Afterや
耐震・断熱・シロアリ補修の様子は
施工事例ページでもご覧いただけます。

諫早市の築35年実家リノベーション施工事例を見る|間取り・収納・断熱・耐震のBefore・After

 


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